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特集 心血管病における免疫機構の関わり―循環器医が知っておきたい知識
腎臓病学からみた心血管病における免疫機構
Immune Mechanisms for Cardiovascular Disease as viewed in Nephrology
山崎 諭
1
Satoshi Yamazaki
1
1佐久総合病院腎臓内科
1Department of Nephrology, Saku Central Hospital
pp.1115-1121
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102084
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はじめに
2002年に公表された慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)の概念1)は,その簡便さから急速に世界中に受け入れられ,2004年にKidney Disease:Improving Global Outcomes(KDIGO)により,CKDの臨床的意義が強調されたこともあり,末期腎不全(end-stage kidney disease;ESKD)のみならず心血管病(cardiovascular disease;CVD)や総死亡のリスク評価に広く用いられている.
2008年にRoncoらによって,CKDとCVDとの相互関係は,心腎症候群(cardiorenal syndrome;CRS)と定義された2).CKDの定義のなかにあるアルブミン尿および糸球体濾過量(glomerular filtration rate;GFR)の低下は,いずれも心血管イベントの独立した危険因子であることは多くのエビデンスの示すところである3).特に,アルブミン尿は糸球体を含めた全身の血管内皮機能障害を反映し,CVD発症の強力な予知因子,リスク指標であると考えられている.したがって,CVDを発症阻止するうえで,CKDとCVDを連関する病態・メカニズムを正しく理解することが重要である.
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