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特集 心血管病における免疫機構の関わり―循環器医が知っておきたい知識
病理学からみた心血管病における免疫機構―心筋炎と血管炎
Immunopathological Aspects of Cardiovascular Diseases:Myocarditis & Vasculitis
宇都 健太
1
,
西川 俊郎
2
Kenta Uto
1
,
Toshio Nishikawa
2
1東京女子医科大学第二病理学;循環器内科
2東京女子医科大学病理診断科
1Department of Pathology, Tokyo Women's Medical University;Department of Cardiology, Tokyo Women's Medical University
2Department of Surgical Pathology, Tokyo Women's Medical University
pp.1123-1129
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102085
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はじめに
近年,心血管病への免疫機序の関与が多数報告されてきている.急性心筋炎,感染性心内膜炎,心サルコイドーシス,大動脈炎症候群など,従来から免疫の関与が病因とされていた疾患に加え,最近では,虚血性心疾患,大動脈瘤,あるいは心筋症に至るまで,様々な心血管疾患における免疫の関与が明らかにされるようになった.いずれの疾患も,活動性の高い状態の病理像が必ずしも観察可能ではないため,主に分子生物学的手法などを用いた検索により免疫学的機序が明らかにされてきたが,種々の疾患の病因を論じる際,依然として病理学的なアプローチが重要な手段であることに変わりはない.
本稿では,日々の循環器臨床で遭遇する炎症性疾患である心筋炎および血管炎に焦点を当て,これらの疾患の病理組織学的特徴を中心に述べる.
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