特集 小児COVID-19の現在地と小児医療に与えたインパクト
Ⅰ.COVID-19の総論update
免疫機構―自然免疫に着目して―
浅野 孝基
1,2
,
岡田 賢
1
1広島大学大学院医系科学研究院小児科学
2広島大学原爆放射線医科学研究所放射線ゲノム疾患研究分野
キーワード:
SARS-CoV-2
,
COVID-19
,
自然免疫
,
獲得免疫
,
I型インターフェロン
Keyword:
SARS-CoV-2
,
COVID-19
,
自然免疫
,
獲得免疫
,
I型インターフェロン
pp.259-263
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000884
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SUMMARY
▷SARS-CoV-2 感染においては,自然免疫系,獲得免疫系(T細胞・B細胞)がそれぞれウイルス排除に働いている.特に,自然免疫系では,I型IFN免疫がSARS-CoV-2感染防御に重要となる.
▷①I型IFNに対する中和抗体(IFN-a2,IFN-ωなどに対する中和抗体)の保有,②1型IFN産生やそのシグナル伝達に関連する遺伝子における変異の保有,などによる|型IFN障害がCOVID-19重症化と関連している.
▷小児の重症COVID-19 肺炎では,I型IFN シグナル伝達関連分子の遺伝子変異保有率が成人に比べ有意に高い.
▷COVID-19研究で得られた一連の知見は,次世代のパンデミックへの対策にもつながると期待される.
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