Japanese
English
連載 呼吸器診療での肺機能検査の必要性とその活用・10
神経筋疾患
Neuromuscular Disease
濱田 哲
1
,
陳 和夫
2
Satoshi Hamada
1
,
Kazuo Chin
2
1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科
2京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学講座
1Department of Respiratory Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University
2Department of Respiratory Care and Sleep Control Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University
pp.1048-1053
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102068
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はじめに
いくつかの神経筋疾患では,呼吸筋力低下に伴い様々な呼吸機能異常が生じるが,その原因としては,大きく神経原性と筋原性に分けられる.前者としては,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;ALS)やポストポリオ症候群が挙げられ,後者としては,先天性筋ジストロフィーやデュシャンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy;DMD)や脊髄筋萎縮症などの疾患が挙げられる.これらの疾患では呼吸筋力低下によりⅡ型呼吸不全が進行するが,一方で車椅子生活による活動量低下により呼吸不全症状を呈しにくいという疾患特有の問題もある1).そのため,感染症などを契機に呼吸不全が明らかとなり,不幸な転機をたどるケースもあり,定期的に肺機能検査を行い,呼吸状態を把握することが重要であると考えられる.ここでは,神経筋疾患における特徴的な肺機能検査を説明したうえで,呼吸不全に至るメカニズムや呼吸機能評価に基づいた治療法選択について概説する.
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