連載 老人のメディカル・チェック・23
神経筋疾患(2)
小田嶋 奈津
1
,
松永 高志
1
,
古川 哲雄
2
1埼玉県障害者リハビリテーションセンター内科
2東京医科歯科大学神経内科
pp.1088-1089
発行日 1989年12月10日
Published Date 1989/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207864
- 有料閲覧
- 文献概要
1.パーキンソン病
中年以後に好発し,脳血管障害に次いで多い神経疾患である。病理学的には,中脳黒質緻密層と青班核のメラニン含有細胞の変性脱落と,脳幹諸核の神経細胞内に多数のLewy小体の出現が認められる。本邦での有病率は人口10万人当たり数10人である。
主症状は,振戦,筋固縮,無動であり,振戦は丸薬を丸めるような手つきで,pill-rolling tremorと呼ばれる。前傾姿勢をとり,上肢をふらないで歩行し,すくみ足現象,小刻み歩行,突進現象がみられる。顔貌は表情が乏しい仮面様を呈する。その他自律神経症状として,唾液分泌亢進,脂顔,起立性低血圧,便秘,排尿障害がときどき認められる。程度はさまざまであるが,痴呆の合併もみられる。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.