Japanese
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特集 全身性疾患としての睡眠時無呼吸症候群(SAS)
OSASにおける血管障害と血管新生
Enhanced Endothelial Cell Injury and Angiogenesis in OSAS Patients
中村 豊
1
Yutaka Nakamura
1
1岩手医科大学内科学講座呼吸器・アレルギー・膠原病内科分野
1Division of Pulmonary Medicine, Allergy, and Rheumatology, Department of Internal Medicine, Iwate Medical University School of Medicine
pp.801-809
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102020
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はじめに
閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)において最も注目されるのは合併症の存在であり,心血管病変は予後を規定する最大の因子である.OSASは心疾患の原因になる肥満を含むmetabolic syndromeの合併症として考えられていたが,OSAS自体が心血管病変の原因,増悪因子であることが明らかとなった.睡眠中の低酸素血症とその後の酸素化,高二酸化炭素血症,胸腔内圧の変動,さらに短期覚醒が交感神経刺激と血管内皮障害を引き起こすと考えられている.血管内皮細胞の機能や脈管形成に関する評価は,患者の心血管イベントの発症を予測し予防するという点において重要視され近年多くの報告があり,急速に知見が集積されている.本稿ではOSAS患者の血管障害と血管新生の機序について,また関連する因子について焦点を当てて述べる.
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