Japanese
English
特集 自律神経系と循環器疾患
心不全と自律神経
Autonomic Nervous System in Heart Failure
廣岡 良隆
1
Yoshitaka Hirooka
1
1九州大学大学院医学研究院先端循環制御学
1Department of Advanced Cardiovascular Regulation and Therapeutics, Kyushu University Graduate School of Medical Sciences
pp.257-263
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101908
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
心不全では交感神経系が活性化している1~6).その活性の程度は心不全患者のリスクを層別化している.また,β遮断薬の有効性は確立され,早期から使用されるようになってきている2,3).しかし,心不全における交感神経系活性化の機序は未だ明らかではない.近年の研究成果によって脳内アンジオテンシン・アルドステロン系の活性化,炎症性サイトカインの増加が中枢性交感神経出力を増加させることが分かってきた.そのトリガーとなるのは,従来から説明されている圧反射系の入力のみならず炎症性反応に伴う末梢のアンジオテンシン・アルドステロン系,炎症性サイトカインの増加が深くかかわっている可能性が考えられる.また,出力としての交感神経系亢進や迷走神経系減弱がさらにこれらの反応を増強し心不全の悪化につながる枠組みが考えられる.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.