Japanese
English
特集 自律神経と心肺疾患—最新の知見
慢性呼吸不全の自律神経機能
Autonomic Nerve Function in Chronic Respiratory Failure
佐藤 徹
1
Toru Satoh
1
1国立循環器病センター内科心臓部門
1Department of Cardiology, National Cardiovascular Center
pp.41-45
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901178
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
慢性呼吸不全の自律神経機能に関する報告のなかで,肺に豊富に存在する副交感神経と気道の関係についての報告は多い.しかしながら,肺疾患と肺局所以外の全身の自律神経機能との関係を検討した報告は少ない.慢性呼吸不全の全身性の自律神経機能の研究は心拍変動を使ったものが主で,低酸素血症や肺機能検査成績に応じて異常を認めると報告されている1,2).このような自律神経異常が肺疾患の原因であるのか結果であるのかは明らかにされておらず,肺疾患の増悪因子となることも予想されるが,この検討も不十分である.また,慢性呼吸不全のなかでも肺線維症の自律神経機能についてはほとんど解明されていない.
この稿では,1.慢性閉塞性肺疾患,2.肺線維症,3.肺血管病変の,局所および全身性の自律神経機能について,現在までの報告をまとめ自験例を加えて考察したい.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.