Japanese
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綜説
心臓サルコイドーシスの疾病発生機構
Etiology of Cardiac Sarcoidosis
江石 義信
1
Yoshinobu Eishi
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科人体病理学
1Department of Human Pathology, Graduate School of Tokyo Medical and Dental University
pp.1217-1225
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101846
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サルコイドーシスとは
サルコイドーシスは肉芽腫性疾患のなかで最も遭遇する機会の多い病気である.肺,リンパ節,皮膚,眼,肝,脾,心,骨格筋,腎,脳神経など全身諸臓器に乾酪壊死のない類上皮細胞肉芽腫が形成され多彩な臨床症状を呈する.なかでも両側肺門リンパ節腫脹(BHL)や肺野病変は患者の9割以上に認められる.本症患者のなかには無症状の人もおり,検診でBHLを指摘され内科に紹介される患者も多い.最近ではブドウ膜炎による眼症状を主訴に眼科初診となる患者が増加している.眼,心,脳神経など臨床症状が出やすい臓器障害の場合はステロイド治療の対象となるが,生活に支障となる症状がなければ無治療で経過観察されることも多い.本症に自然治癒例が存在することも事実である.本症は概して良性の経過をたどるが,約3割の患者では慢性化や再発を繰り返し難治化する.難治性患者に対する長期ステロイド投与は副作用も多く,その治療成績に関しても多くの問題を抱えている.原因に対する根本的治療法が切望されている所以である.
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