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綜説
中性脂肪蓄積心筋血管症
Triglyceride Deposit Cardiomyovasculopathy(TGCV)
平野 賢一
1
Ken-ichi Hirano
1
1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学
1Department of Cardiovascular Medicine, Osaka University Graduate School of Medicine
pp.1115-1119
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101825
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はじめに
中性脂肪蓄積心筋血管症(triglyceride deposit cardiomyovasculopathy;TGCV)は,2008年,わが国の心臓移植待機症例より見出された新規疾患単位であり,心筋細胞,冠状動脈硬化巣に中性脂肪が蓄積する結果,重症心不全,不整脈を来す難病である1,2).これまでのところ明らかなTGCVの原因遺伝子は,細胞内中性脂肪分解の必須酵素であるadipose triglyceride lipase(ATGL)である3,4).2009年より,厚生労働省難治性疾患克服研究事業として,TGCV研究班が立ち上がり,本症の1日も早い克服を目指して,その疾患概念の確立,診断法,治療法の開発が進められている.
本稿では,本症の発見の経緯,その病態,これまで収集した原発性TGCV(ATGL欠損症)の臨床像について述べる.
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