特集 透析患者の心臓病のすべて―インターベンションを中心に
コラム:中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)と透析
平野 賢一
1
1大阪大学中性脂肪学共同研究講座
キーワード:
中性脂肪蓄積心筋血管症
,
血液透析
,
心筋シンチグラフィ
,
トリカプリン
Keyword:
中性脂肪蓄積心筋血管症
,
血液透析
,
心筋シンチグラフィ
,
トリカプリン
pp.756-758
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003467
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TGCV(triglyceride deposit cardiomyovasculopathy)は,2008年にわが国の心臓移植待機症例から見出された成人発症の新しいクラスの心血管病である.長鎖脂肪トリグリセリド(long-chain triglyceride;LCTG)の細胞内分解障害により,おもに心筋細胞,血管平滑筋細胞にLCTGが蓄積するとともに長鎖脂肪酸(long-chain fatty acid;LCFA)が遊離されないためのエネルギー不全が生じる.患者は治療抵抗性の心不全,びまん性冠動脈疾患,心室性不整脈などを呈する.2024年10月現在,累積診断数は991例でうち145例がすでに死亡している.

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