Japanese
English
特集 慢性炎症と循環器疾患
慢性炎症と大動脈瘤
Chronic Inflammation in Aortic Aneurysm
青木 浩樹
1
,
吉村 耕一
2
Hiroki Aoki
1
,
Koichi Yoshimura
2
1久留米大学循環器病研究所
2山口大学大学院医学系研究科器官病態外科学
1Cardiovascular Research Institute, Kurume University
2Department of Surgery and Clinical Science, Yamaguchi University Graduate School of Medicine
pp.883-889
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101779
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はじめに
動脈硬化,肥満,糖尿病からがんに至るまでほとんどの生活習慣病の基礎病態として慢性炎症が注目されている.これらの生活習慣病では主座となる組織(動脈硬化であれば動脈内膜,肥満であれば脂肪組織など)にマクロファージやリンパ球を主体とする慢性炎症細胞浸潤を認めるが,いわゆる炎症の4主徴である発赤,熱感,腫脹,疼痛を伴わない.慢性炎症の場では実質細胞,間質細胞,炎症細胞が細胞表面および細胞間のメディエーターを介して動的に相互作用すると思われるが,その実態は不明な点が多く,病態診断や治療を妨げている.
本稿では,典型的な慢性炎症性疾患である大動脈瘤の病態について概観する.
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