Japanese
English
特集 生活習慣と呼吸器疾患
糖尿病と呼吸機能
Pulmonary Function in Diabetes Mellitus
小川 浩正
1,2
Hiromasa Ogawa
1,2
1東北大学 環境・安全推進センター
2東北大学大学院医学系研究科産業医学分野
1Tohoku University Center for Environmental Concervation and Research Safety
pp.783-788
発行日 2011年8月15日
Published Date 2011/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101757
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
生活習慣病の一つに挙げられる糖尿病(DM)は,腎臓,網膜,神経,心血管など様々な臓器に微小血管障害を及ぼし,腎症,網膜症,神経症,心血管障害などを発症させる.肺は全身からの血液を受け,肺胞でガス交換を行い,再び全身へ血液を送り出している.ガス交換は,肺胞と毛細血管を一つのユニットとして働いており,肺内に構成される毛細血管網は体内最大のものである.糖尿病病態で起こる微小血管障害は,他の臓器の微小血管障害同様,肺にも影響を及ぼすものの,肺のリザーブは大きいため,症状として現れてくることは進展してきてからである.肺機能はガス交換機能を評価する検査であり,症状より早期に異常が現れてくるものであり,糖尿病進展を評価するうえでも有用なものともいえる.本稿では,糖尿病により起こる肺機能異常について概説する.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.