Japanese
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特集 呼吸器疾患のバイオマーカー
呼吸機能検査―インパルスオシロメトリー法
Impulse Oscillometry
小川 浩正
1
Hiromasa Ogawa
1
1東北大学保健管理センター/感染症・呼吸器内科
1Health Administration Center/Department of Infections and Respiratory Diseases, Tohoku University Hospital
pp.615-622
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100405
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はじめに
従来の肺機能検査は,被検者に何らかの呼吸動作をさせることで測定が行われてきた.強制オシレーション法(forced oscillation technique)は,従来の肺機能検査とは対照的に,安静換気時に外部より低振幅の圧シグナルを送ることで呼吸メカニクスを測定しようとするものであり,特別な呼吸手技を行うことなく,容易に肺機能を測定できる利点がある.この強制オシレーション法は,DuBoisらにより初めて報告された1).測定は単周波数で行われたが,その後,周波数解析が可能となり,マルチ周波数のオシレーションが使用されるようになった.その解析に関しても,当初は10分単位での解析しかできなかったが,その後15秒単位での解析が可能となり,それまで実験レベルでの使用であったのが臨床でも利用されるようになった.現在は0.001秒での測定解析が可能となり,これが国際的標準とされている.2003年にヨーロッパ呼吸器学会では,強制オシレーション法の基本的なテクニックの記述とともに,その適応,結果の解釈などについてのガイドラインを発表している2).
本稿では,呼吸機能検査のトピックとして,強制オシレーション法のなかでも最近注目されるようになってきたインパルスオシレーション法について概説する.
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