Japanese
English
Bedside Teaching
新しい簡易型スパイロメトリー
Portable Spirometer
小川 浩正
1
Hiromasa Ogawa
1
1東北大学保健管理センター/感染症・呼吸器内科
1Health Administration Center/Department of Infectious and Respiratory Diseases, Tohoku University
pp.1245-1253
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100924
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はじめに
呼吸器症状を訴えてくる患者の状態を把握するためには肺機能を知ることが重要である.スパイロメトリーは,その最も基本的な検査であり,肺活量,1秒率,フローボリューム曲線など診断に重要な情報を得ることができるものである.たとえば,NICE Studyで報告されているように,日本において40歳以上の8.5%,実に580万人がCOPDに罹患しているとされるものの,実際診断され治療を受けている患者はそのごく一部である.この未診断のCOPD罹患者を拾い上げることが,日本のみならず,世界的な問題となっており,そして増加し続けるCOPD死亡者数を抑制するためには重要となる.COPDの早期発見,診断のためには一般医家の役割が重要となってくる.COPD診断には,スパイロメトリー検査が必須であるものの,従来からあるベネディクトロス型などのローリングシール方式のスパイロメータは測定機器が大きく,外来診療のかたわらで行う検査機器としては利便性に欠けている.それに対して,フローセンサーを用いる簡易型のスパイロメータが開発され,診察デスクにおいて,診察時に場所を移動することなく,肺機能を測定できるようになってきた.
本稿では,現在の簡易型スパイロメトリーと,従来のスパイロメトリーの違いについて記載するとともに,どのような種類のものがあるかについて記載する.
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