Japanese
English
特集 COPD大規模臨床研究から分かるもの
吸入ステロイド
Inhaled Corticosteroids
小川 浩正
1
Hiromasa Ogawa
1
1東北大学保健管理センター病態生理情報学分野
1Health Administration Center, Tohoku University
pp.771-778
発行日 2009年8月15日
Published Date 2009/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101305
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はじめに
吸入ステロイド(inhaled corticosteroid;ICS)は,ガイドラインで記載されているように,特に重症以上のCOPD安定期における管理において,長時間作用型β2刺激薬(long-acting beta2-agonist;LABA)との併用で用いることが,広く受け入れられている.COPDにおいてのICS治療は,その臨床効果についてのエビデンスが収集される以前から広く使用されてきた経緯がある.それには,気管支喘息治療においてICSの治療的役割が明らかにされていることから,COPDにおいても使用が試みられてきた経緯があるものと考える(実際,重症喘息の場合,COPDと鑑別が難しいので).また,COPD増悪期でのステロイド全身投与の有効性もまた,安定期にICSを利用する理由付けとなっているものと思われる.現在の臨床ガイドラインでは,ICS使用により,COPD増悪リスクを軽減できることが強調されている.
本稿では,これまで行われてきたCOPD大規模臨床研究を通して明らかとなっているICSの効果について概説する.
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