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特集 再灌流療法をめぐる諸問題
プレホスピタル12誘導心電図を含む救急医療体制の意義
The Significance of Emergency Cardiovascular Care System including Prehospital 12-lead Electrocardiogram
田原 良雄
1,2
,
木村 一雄
1,3
Yoshio Tahara
1,2
,
Kazuo Kimura
1,3
1横浜心疾患研究会
2横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター
3横浜市立大学附属市民総合医療センター循環器内科
1Yokohama Coronary Workshop
2Advanced Critical Care and Emergency Center, Yokohama City University Medical Center
3Division of Cardiology, Yokohama City University Medical Center
pp.687-696
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101739
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はじめに
ガイドライン2010におけるSTEMI(ST elevation myocardial infarction:ST上昇型心筋梗塞)治療システムの重要かつ主要な要素は,救急隊員によるプレホスピタル12誘導心電図記録の実施とその伝送または解釈,および受け入れ先施設への事前通知である(図1)1,2).
プレホスピタル12誘導心電図は,「心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン」において2000年度版から推奨され,血栓溶解療法による再灌流療法までの時間を短縮することが記載されている3).さらに,最新の2010年度版では,プライマリーPCI(percutaneous coronary intervention:経皮的冠動脈インターベンション)におけるプレホスピタル12誘導心電図の有用性を強調している.すなわち,PCIが治療法として選択される場合にプレホスピタル12誘導心電図を用いることで専門施設へのより適切なトリアージ(病院選定)が可能となる.さらに救急隊員または救急部の医師が心臓カテーテル室準備を含む心臓カテーテルチームの召集を要請することにより,再灌流療法までの時間が有意に短縮することが示されている1).
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