Japanese
English
綜説
薬剤の効果と遺伝要因
Drug Effects and Genetic Factors
広田 朝光
1
,
冨田 かおり
1,2
,
玉利 真由美
1
Tomomitsu Hirota
1
,
Kaori Tomita
1,2
,
Mayumi Tamari
1
1理化学研究所ゲノム医科学研究センター呼吸器疾患研究チーム
2福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
1Laboratory for Respiratory Diseases, Center for Genetic Medicine, Institute of Physical and Chemical Research
2Division of Otorhinolaryngology Head & Neck Surgery, Faculty of Medical Science, University of Fukui
pp.597-604
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101720
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はじめに
2003年に生命の設計図といわれるヒトゲノム解読が終了し,研究の中心はそのゲノムの多様性へと移行した.特に人口の1%以上の頻度で存在する遺伝暗号の違いは遺伝子多型と定義され,それらが病気へのかかりやすさや,重症度,薬剤の効果や副作用の出やすさなどに関与していると考えられている1).近年,薬剤の効果や副作用などに関する研究はゲノム薬理学として発展し,各個人の遺伝的要因に基づいた治療である「オーダーメイド医療」が現実のものとなりつつある.
本稿ではゲノム薬理学の解析手法とともに,薬剤の効果や副作用などに関しての遺伝的要因として,これまでに報告されてきた代表的なものを解説する.
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