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あとがき
三嶋 理晃
pp.434
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101691
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呼吸器科は循環器科・消化器科と並んで患者数が多く,3大内科疾患の1つといわれている.人口の高齢化によってCOPD,肺炎,肺癌などの患者数が急激に増大しつつある.しかし,呼吸器科医師数の不足が叫ばれて久しい.実際,呼吸器科専門医数は循環器内科,消化器内科に比較して3分の1程度である.この理由としては,呼吸器科を長とする大学講座が少なかったこと,患者数の増加が急速であったことなどが挙げられる.そして,呼吸器科医師不足は個々の医師の過剰労働を生み,さらに呼吸器診療の保険点数が必ずしも高くないことなどによって医師不足の悪循環を形成していた可能性がある.
しかし,日本呼吸器学会はこれに対して様々な対策を実行もしくは検討している.過疎地域でも専門医取得が可能な制度,呼吸器外科医も呼吸器専門医を取得できる制度などが実行に移されようとしている.また,近年呼吸器科を教授とする大学の数も増えつつある.さらに,呼吸器疾患関連の保険点数の増加に関しては,呼吸器疾患患者団体からの要望を積極的にくみ上げて,エビデンスに基づいた点数増加請求策が検討されている.呼吸器内科診療の多様性は様々な診療スタイルを可能にし,「女性医師に適した職種である」とのキャンペーンも始まっている.
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