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特集 最新の呼吸器疾患ガイドライン
禁煙治療マニュアル
Smoking Cessation Treatment Manual
川根 博司
1
Hiroshi Kawane
1
1日本赤十字広島看護大学看護学部
1Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing
pp.383-389
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101677
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はじめに
喫煙が呼吸器疾患,循環器疾患をはじめ全身のいろいろな病気を引き起こすことは,ヘルスプロフェッショナルにとっては周知の事実である.世界保健機関(WHO)は2005年の世界禁煙デーのテーマとして「タバココントロールにおけるヘルスプロフェッショナルの役割」を掲げ,保健医療専門家がそれぞれの立場でタバコ規制に向かって行動を起こすよう求めている.しかし,医師がたとえ循環器科医や呼吸器科医であっても,全員がタバコの害について十分な正しい知識を持ち,禁煙治療に関する最近の知見に接しているわけではない.2005年にわが国初の禁煙治療の指針として,日本循環器学会・日本呼吸器学会など9学会合同の禁煙ガイドラインが作成された1).それを受けた形で,2006年4月から禁煙治療が保険適用となり,一定条件を満たしたニコチン依存症の外来患者には保険給付(ニコチン依存症管理料)の対象となった.
2009年6月,日本呼吸器学会は喫煙問題に関する検討委員会(永井厚志委員長)により策定された「禁煙治療マニュアル」を刊行した2).本稿ではこの「禁煙治療マニュアル」を中心に,最新情報を交えながら禁煙指導・禁煙治療について解説したい.
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