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特集 気管支喘息 最新の話題
気管支喘息とガイドライン
Bronchial Asthma and Its Guidelines
大田 健
1
Ken Ohta
1
1国立病院機構東京病院
1National Hospital Organization Tokyo National Hospital
pp.1129-1136
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200045
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はじめに
気管支喘息(喘息)は,紀元前4世紀,古代ギリシャのヒポクラテスの時代から既に記載のある古い疾患である.その患者数は増加傾向を示し,実地診療の場で必ず経験する疾患の一つと言える.喘息の診療では,気道閉塞と慢性の気道炎症を念頭に,個々の患者にとって適切な治療を実践することが重要である.本稿では,2012年に発刊された最新の喘息予防・管理ガイドライン(JGL2012)1),および続いてその後の情報を加えて改訂されたJAGL20132)の成人喘息に関する内容について概説する.
なおJGL2012とJAGL2013が推奨する治療内容の要点は以下の6つに集約される.
1.成人喘息は治癒しないことを前提に,喘息のコントロール良好の維持を目標とする.
2.長期管理薬では,吸入ステロイド薬(ICS)の使用が全治療ステップで推奨される.
3.無治療で受診している患者では,長期管理では重症度,発作治療では発作強度を判定し,該当する治療ステップを選択する.
4.治療中の患者では,コントロール良好かどうかを判定して治療を調整する.
5.難治性喘息では,治療アドヒアランス,修飾因子,鑑別診断などを再チェックする.
6.高齢者喘息では慢性閉塞性肺疾患(COPD)とのオーバーラップ症候群に注意する.
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