Japanese
English
Current Opinion
冠動脈疾患における人種差と性差
Racial and Gender Differences in Coronary Heart Disease
天野 惠子
1
Keiko Amano
1
1財団法人野中東皓会静風荘病院
1Seifuso Hospital
pp.313-319
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101660
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
冠動脈疾患における人種差と性差に関する現在までの概要
1.冠動脈疾患における性差
女性では,内因性エストロゲンの持つ抗動脈硬化作用により1)閉経前には動脈硬化の進展が抑制されている.その結果,冠動脈疾患の臨床像には大きな性差がある.
1) 冠動脈疾患の罹患率・死亡率の性差
WHOのMONICA Projectとわが国で同様の診断基準で調査した35~64歳男女の年齢調整心筋梗塞発症率の結果をみると,女性の虚血性心疾患発症率は男性の3分の1から5分の1であり,世界に共通した現象である2).明らかな性差を認める(図1).本邦では,初発の心筋梗塞発症患者の平均年齢は,女性で男性よりも約8年程度高く,その分,女性の1カ月以内の致命率は男性より高い3).
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.