Japanese
English
Bedside Teaching
呼吸器合併症のある肺癌の治療と管理
The Therapy and Management of Lung Cancer Combined with Respiratory Disease
峯岸 裕司
1
,
弦間 昭彦
1
Yuji Minegishi
1
,
Akihiko Gemma
1
1日本医科大学内科学講座呼吸器・感染・腫瘍部門
1Division of Pulmonary Medicine, Infectious Disease, and Oncology, Department of Internal Medicine, Nippon Medical School
pp.305-312
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101659
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はじめに
原発性肺癌に合併する先行呼吸器疾患としては,肺気腫を主とする慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD),特発性間質性肺炎などの間質性肺疾患,気管支喘息,陳旧性肺結核,塵肺などがあり,健常人に比べ肺癌の発生頻度が高いことが報告されている.しかし,こうした呼吸器合併症を有する肺癌患者の治療や管理に関しては,具体的な指針となるような報告はほとんどみられない.呼吸器合併症を有する患者の病態は時に複雑で個々の症例で大きく異なっている.このため臨床の現場では治療適応・方法,管理について,主治医が症例ごとに判断・決定しているのが現状であり,Evidence Based Medicine(EBM)の乏しい領域である.
本稿では,特に肺癌と同様に喫煙との関連が強く,合併頻度の高いCOPD(多くが肺気腫)と治療にあたって特別な対応を要する特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias;IIPs)の臨床像および治療・管理の現状について概説する.
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