Japanese
English
特集 冠攣縮性狭心症
微小血管狭心症
Microvascular Angina:MVA
村上 大介
1
,
高野 雅充
1
,
清野 精彦
1
Daisuke Murakami
1
,
Masamitsu Takano
1
,
Yoshihiko Seino
1
1日本医科大学千葉北総病院循環器内科
1Department of Internal Medicine, Nippon Medical School Chiba Hokusou Hospital
pp.49-55
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101611
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はじめに
臨床症状などから狭心症が疑われた患者の冠動脈造影検査において,約半数は有意狭窄を認めず,特に女性は男性に比べてその比率が高いことが知られている.これらの患者の一部は,通常の冠動脈造影では検出できない100μm以下の微小血管の機能異常が胸痛の発現に関与していることが報告されており,このような疾患群はcardiac syndrome X,または微小血管狭心症(microvascular angina;MVA)と定義される.
微小血管狭心症は男性より女性,特に閉経後の女性に多い.胸痛の性状は非特異的である場合が多く,症状は労作時だけではなく安静時にも出現し,硝酸薬に対する反応は半数以上で不良であり,30分以上遷延することもある.また,心表面の冠動脈攣縮による狭心症(冠攣縮性狭心症,coronary spastic angina;CSA)に合併することもある.本稿ではMVAの臨床像,病態,診断,治療につき概説したい.
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