Japanese
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Current Opinion
呼吸器疾患の画像診断―MRIを中心に
MR Imaging for Pulmonary Disease
大野 良治
1
Yoshiharu Ohno
1
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座放射線医学分野
1Department of Radiology, Kobe University Graduate School of Medicine
pp.1161-1166
発行日 2010年11月15日
Published Date 2010/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101582
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最近1年間のMRIの話題 核磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging;MRI)は高い組織分解能を有し,全身での臨床応用および臨床的有用性が示唆されているものの,呼吸器,とりわけ肺疾患においてはCTのように肺末梢構造の描出が困難であることより,長くその臨床応用は限定されてきた.しかし,近年のMR装置の進歩や新たな撮像法の開発などにより,MRIの臨床適応は確実に増加していると考える.MRIの臨床応用研究としては現在,1)肺結節の質的診断,2)非小細胞肺癌における臨床病期診断,3)非小細胞肺癌における術後肺機能予測,4)肺血管性疾患への応用,5)慢性閉塞性肺疾患の重症度評価が挙げられるが,特にこの1年間で新たに得られた知見に関しては,A)肺結節の質的診断における拡散強調画像の応用,B)肺癌におけるNおよびM因子診断における拡散強調像の応用,C)肺高血圧症における肺機能MRIの臨床応用,およびD)肺機能MRIの慢性閉塞性肺疾患および喘息患者への応用がある.本稿ではこれらについて解説する.
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