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はじめに
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)は慢性肺疾患のなかでも最も多く認められる病態であり,診断,重症度判定および病態生理の解明には核医学による肺換気血流シンチグラフィーやコンピュータ断層撮影(computed tomography;CT)が挙げられる.一般に臨床現場においてはXenon-133(Xe-133),Krypton-81m(Kr-81m)やtechnetium-99m(Tc-99m)-labeled diethylentriaminepentaacetic acid(Tc-99m-labeled DTPA)を投与する核医学検査が肺機能診断として用いられているが,呼吸器核医学検査は低い空間分解能と時間分解能のため,肺局所の換気を評価するにも限界があるとともに,用いられる放射性同位体分子は酸素分子とは全く異なるものであり,あくまで用いられた放射性同位体分子の換気をみているに過ぎない.また,肺血流シンチグラフィーはV/Q比が原則的に肺局所でCOPDでは保たれているので,血流を評価することにより,間接的に換気を評価しているに過ぎない.
近年,肺機能MR画像(pulmonary functional MR imaging;pulmonary functional MRI)としての造影MR灌流画像,超偏極希ガスを用いたMR画像あるいは100%酸素吸入を用いたMR画像のCOPDへの応用が進められている.
本稿においては,それらを用いたpulmonary functional MRIのCOPDへの臨床応用に関する最新動向を解説したい.
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