特集 眼感染症診療ガイド
I.眼感染症のトピックス
院内感染
竹内 聡
1
1横浜市立大学医学部眼科学教室
pp.22-27
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101408
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院内感染とは
院内感染とは,医療施設で治療を受けている患者が,原疾患とは別の新たな感染を院内で受けて発症することである。原疾患を治療するために医療施設にかかっているのにもかかわらず,新たな病気を与えてしまうことは,患者に精神的にも経済的にも苦痛を負わせることになる。
眼科領域で院内感染が話題となるとき,まず考えるのはウイルス性結膜炎,特にアデノウイルスによる結膜炎である。眼科日常診療において遭遇する機会も多いうえ,その感染力の強さから,一度院内感染が起きるとなかなか鎮静化できない。ほかに眼科院内感染には,急性出血性結膜炎やMRSA・MRSEによる結膜炎,術後感染症などが挙げられる(表1)。流行性角結膜炎,急性出血性結膜炎,MRSA感染症のいずれも,国の感染症新法で四類感染症に定められ,指定された医療機関からの届出報告から発生状況を分析し,拡大を防止すべき感染症とされている。
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