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Current Opinion
冠動脈インターベンション(PCI)施行患者に対する薬物療法
Medical Management of Ischemic Patient Post Intervention
福澤 茂
1
Shigeru Fukuzawa
1
1船橋市立医療センター循環器内科
1Division of Cardiology, Funabashi Municipal Medical Center
pp.97-103
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101412
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PCI施行後の薬物療法をめぐる最近1年間の話題
冠動脈狭窄に対するカテーテル治療の臨床応用が始まってから4半世紀が経った.特に冠動脈ステントの登場で治療成績は向上し,全世界で年間200万件,本邦では15万件を数えるに至っている.しかし,再狭窄のため20%程度の再治療は避けられず,再狭窄がなおPCIのアキレス腱であった.最近,塗布した薬剤を徐々に溶出させる薬剤溶出性ステント(drug eluting stent;DES)により再狭窄の主因,新生内膜増殖を抑制することが可能となった.このように,バルーン形成術(POBA)のみであった時代から,ベアメタルステント(BMS),DESなどの登場によって,急性冠閉塞や再狭窄が解決方向に向かっていることにより,PCI がさらに飛躍してきている.
一方,2007年に米国,カナダよりCOURAGE試験1)が報告された.PCIの効果を薬物治療単独と比較し,安定狭心症の心血管イベントおよびQOLについての比較を行ったもので,PCIは一時的にQOLを改善はするが,死亡・心筋梗塞・その他の重大な心血管イベントのリスクは低下しないという結果が示された.これにより,最適な内科的治療(集中的な薬物治療とライフスタイルの改善)に注目が集まっているのも事実である.
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