Japanese
English
Current Opinion
肺高血圧症の新しい治療
Current Opinions for the Treatment of Pulmonary Hypertension
林 伸一
1
Shinichi Hayashi
1
1日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
1Division of Respiratory Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.89-95
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101411
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
肺高血圧症をめぐる最近1年間の話題
特発性肺動脈高血圧症(idiopathic pulmonary artery hypertension;IPAH)は最近までは肺移植以外の有効な治療の手立てがないとされ,診断後2~3年で死亡する例が多かった.また,慢性閉塞性肺疾患(COPD)や特発性肺線維症(IPF)に二次性の肺高血圧(pulmonary hypertension;PH)を合併すると予後が悪くなることが知られていた.近年,PHの病態について様々な知見が得られ,新規治療薬が臨床応用されるようになった.とりわけこの5年間の進展はめざましく,まさに呼吸と循環の領域で最も注目されている話題の一つと言える.
2008年2月にカリフォルニアのダナポイントにおいて第4回肺高血圧国際シンポジウムが開かれた.ここでは2003年のヴェニスにおける第3回国際シンポジウム以降の様々な知見が検討され,病因論,病理,分類,治療アルゴリズムなどの見直しが行われた.その議論の詳細が2009年6月にJournal of the American College of Cardiologyに掲載された1~6).また同様のガイドラインが,米国7)とヨーロッパ8)の呼吸器および循環器学会から発表されている.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.