Japanese
English
特集 呼吸器疾患治療の標的分子
肺高血圧症
Molecular-targeted Treatments for Pulmonary Arterial Hypertension
阿部 弘太郎
1
Kohtaro Abe
1
1九州大学大学院医学研究院先端循環制御学講座
1Department of Advanced Cardiovascular Regulation and Therapeutics, Kyushu University Graduate School of Medical Sciences
pp.323-328
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205678
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はじめに
肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension;PAH)の治療は,高血圧症治療薬であるカルシウム拮抗薬から始まった1).抗凝固療法のワルファリンと併用することで,比較的初期のPAHの予後を改善したが,中等度以上に進行したPAH患者に対する治療効果は乏しく,新たな治療法開発の研究が続けられた.その結果,1990年代に入りプロスタグランジンI2製剤,2000年代にはエンドセリン受容体拮抗薬や5型ホスホジエステラーゼ阻害薬など様々な治療薬が開発され,PAHの予後は劇的に改善した.しかしながら,重症化したPAH患者の予後は未だに不良である2).したがって,現行の薬剤に加え,新たなクラスのPAH治療薬の開発が必要である3).
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