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Current Opinion
感染性心内膜炎
Infective Endocarditis
光武 耕太郎
1
Kotaro Mitsutake
1
1埼玉医科大学国際医療センター感染症科・感染制御科
1Department of Infectious Diseases and Infection Control, Saitama International Medical Center, Saitama Medical University
pp.1065-1069
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101354
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感染性心内膜炎をめぐる最近1年間の話題
[1]ガイドライン
2009年3月,国内の「感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン」が5年ぶりに改訂された1).第1版として2003年に発表されたガイドラインは,全国の循環器専門施設での感染性心内膜炎(IE)に関するアンケート調査結果2)を加味したものであった(IEに関する大規模な症例調査は約30年ぶり).今回も改訂に合わせて調査が行われ,その結果が近日中に報告される予定である.
2007年にはAmerican Heart Association(AHA)がIEの予防に関するガイドライン3)を改訂したが,予防に関して大きく方針転換したもので,一部の実地医家や歯科医師からは驚きの声が挙がった.その変更点のポイントは,十分な科学的根拠に乏しいという理由から,抜歯時における抗菌薬の予防投与の対象を多くの弁膜症や先天性心疾患患者とはせずに,いくつかの病態の心疾患に限定したこと,もうひとつは泌尿器・消化器の手技にあたって,IE予防のためだけを目的とした抗菌薬の予防投与を推奨しないということである.
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