Japanese
English
綜説
Heat shock proteinと呼吸器疾患
Heat Shock Proteins and Respiratory Diseases
田坂 定智
1
Sadatomo Tasaka
1
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
1Division of Pulmonary Medicine, Keio University School of Medicine
pp.1033-1042
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101349
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はじめに
生体は外部環境の変化に応答・適応し,その恒常性を維持している.このような環境変化には,温度,光,放射線などの物理的変化や,活性酸素,重金属,有害化学物質などの化学的変化があり,それぞれ物理的ストレス,化学的ストレスと呼ばれる.感染,炎症,放射線照射,虚血などもある種のストレスとして捉えられ,これらのストレスに対する生体の応答反応はストレス応答と呼ばれる.ストレス応答の際,組織・細胞レベルで誘導される一連の蛋白質があることが知られ,これをheat shock protein(HSP)あるいはストレス蛋白質と総称している.HSPには様々なストレスに対し,細胞や臓器を保護する作用があることが知られ,近年多くの知見が集積されている.本稿では各種HSPの機能や発現調節について触れた後,各種呼吸器疾患とHSPとの関連や,HSPの診断・治療への応用の可能性について概説する.
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