Japanese
English
Bedside Teaching
ShockとMDF
Shock and MDF
清水 禮壽
1
Reiju Shimizu
1
1東京大学医学部麻酔科学教室
1Department of Anesthesiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.433-441
発行日 1972年5月15日
Published Date 1972/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202383
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shockという用語はきわめてあいまいな用語であり,"この患者はshock状態にある"ということは"この患者は熱がある"というのとほとんど同じような表現であって,全く特異性のないものである。しかし,一応何らかの定義を下さなければならないとすれば,"shockとは,組織に対する血液灌流の急激な減少に伴う細胞の酸素欠乏およびそれにひきつづいておこる一連の出来事を反映する症候群である"といえよう。shockは,放置しておけば,その基礎にある疾病の種類に関係なく,生体が死に至るまでの間に必ず通過する共通の道程であるため,常にそれに対する正しい病態生理の把握および処置がなされなければならない1)。
現在,shock時の病態生理学的変動を循環,呼吸,代謝などの面からとらえる方法が数多く確立されつつあるが最近注目されているものにmyocardial depressant fa—ctor (MDF)と呼ばれているものがある。
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