Japanese
English
綜説
Respiratory Heat LossとWater Loss
Respiratory heat loss and water loss
堀江 孝至
1
Takashi Horie
1
1日本大学医学部第一内科
1First Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.352-360
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205034
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はじめに
Respiratory Heat Loss(RHL),Respiratory Water Loss(RWL)は体温より低い温度で低い湿度の大気を吸入した時に,気道粘膜と気道内ガスとの間に生ずる温度,湿度差によって吸入気が加温,加湿され,結果として気道粘膜から温度や水分がうばわれることを指している。今回RHL,RWLについての解説を依頼されたが,最近RHL,RWLが最も注目されているのは運動後に誘発される気道攣縮(Exercise Induced Asthrma,EIA)の機序との関連についてであろう。
EIAに関する最近の知見は別に概説したが1),EIA全般の総説やシンポジウム報告は多々みられる。それらでもRHL,RWLについて解説され多くの文献が紹介されているので参考にしていただきたい2〜9)。その内容も一方ではRHLの重要性が指摘され,他方ではRWLが強調され,またメディエーターの関与が主張されるなど多様であり,EIAの複雑さが推察される。これら総説で述べられていることとの重複は避けがたいが,本稿ではRHL,RWLに関して最近報告されている論文を引用しながら解説する。
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