Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994
II 皮膚疾患の病態
Heat shock proteinと皮膚疾患
Heat shock proteins: possible relation to skin diseases
伊崎 誠一
1
,
後藤 佳子
1
Seiichi IZAKI
1
,
Yoshiko GOTO
1
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Saitama Medical Center, Saitama Medical School
キーワード:
ストレス蛋白
,
熱ショック
,
乾癬
,
掌蹠膿疱症
,
病巣感染
Keyword:
ストレス蛋白
,
熱ショック
,
乾癬
,
掌蹠膿疱症
,
病巣感染
pp.53-57
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901193
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ストレス蛋白(熱ショック蛋白,HSP)のうちあるものは微生物から哺乳類に至るまで相同性が良く保存され,しばしば抗原性が交叉する.近年この,種間共通抗原エピトープに対する免疫反応が注目されている.われわれはELISA法を用いて,分子量65kDのヒトらい菌由来のHSP(HSP65)に対する抗体価を種々の皮膚疾患で測定した.その結果,らい菌あるいは抗酸菌と全く無関係に,掌蹠膿疱症および乾癬患者のうち病巣感染が発症原因と考えられる患者で抗HSP65IgGの上昇を見いだし,感染病巣のない患者に比し明らかな差(p<0.01)を示した.ベーチェット病,アトピー性皮膚炎,蕁麻疹,帯状疱疹でもそれぞれ上昇がみられ,細菌性あるいはウイルス感染を受けた宿主細胞のHSP65による免疫変調作用が,種々の炎症性皮膚疾患の病態生理に何らかの形で寄与する可能性が示唆された.
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