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睡眠時無呼吸症候群の簡易検査法をめぐる最近の話題
「成人の睡眠時無呼吸症候群(SAS),診断と治療のためのガイドライン」1)によれば,SASの大多数は閉塞型(obstructive sleep apnea syndrome;OSAS)であり,PSG(polysomnography)に基づくAHI(apnea and hypopnea index)で軽症は5/h≦AHI<15/h,中等症は15/h≦AHI<30/h,重症はAHI≧30/hに分類される.ガイドラインでのCPAP適応は,AHI≧30/hは無条件で,AHI5~30/hは症状の強い場合となっているが,健康保険の適応基準はPSGでAHI≧20/hで覚醒時の眠気など症状がある場合か,簡易検査でAHI≧40/hで症状がある場合となっており,現実には保険適応に沿って治療がなされる.本稿ではOSASに関する簡易検査法の最近の進歩を解説する.
国際的にはSASの診断にはPSGが原則必要とされてきた.しかし,近年は海外でも変化がみられており,2007年10月のAmerican Academy of Sleep Medicine(AASM)の臨床ガイドラインでは,条件付きながら簡易検査は中等度~重度のSASの診断のためにPSGに代わりうるとの見解を示した2).さらに,米国の公的医療保険機構であるThe US Centers for Medicare and Medicaid Servicesは,2008年3月にDecision Memo for Continuous Positive Airway Pressure(CPAP) Therapy for Obstructive Sleep Apnea(OSA)という声明を発表し,簡易検査でのSASの診断でのCPAPの適応を認めた3).British Thoracic Societyはすでに2003年にPSGを推奨はするものの,簡易検査を第一選択としている4).ただし,この場合の簡易検査とは後述のtype3を指している.同じく後述のtype4については推奨するが診断に用いることはできないとしてある.
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