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綜説
リンパ脈管筋腫症(LAM)の最新の話題
The Latest Topics of Lymphangioleiomyomatosis(LAM)
平間 未知大
1
,
久能木 真喜子
1
,
熊坂 利夫
2
,
栗原 正利
3
,
近藤 丘
4
,
瀬山 邦明
1
Michihiro Hirama
1
,
Makiko Kunoki
1
,
Toshio Kumasaka
2
,
Masatoshi Kurihara
3
,
Takashi Kondo
4
,
Kuniaki Seyama
1
1順天堂大学医学部呼吸器内科
2順天堂大学医学部人体病理病態学
3日産厚生会玉川病院気胸センター
4東北大学病院呼吸器外科・臓器移植医療部
1Department of Respiratory Medicine, Juntendo University School of Medicine
2Department of Human Pathology, Juntendo University School of Medicine
3Department of Pneumothorax Research Center, Nissan Tamagawa Hospital
4Department of Thoracic Surgery, Institute of Development, Aging ard Cancer, Tohoku University
pp.395-408
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101240
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はじめに
リンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis;LAM)は,主として妊娠可能年齢の女性に発症する希少疾患で,わが国での有病率は1.2~2.3人/100万人と推定される1).労作性の呼吸困難,血痰,気胸,乳び胸・腹水などの症状や所見を認める.気胸は反復することが多く,女性気胸の重要な基礎疾患の一つである.肺,縦隔・後腹膜・骨盤腔の各リンパ節が侵されるが,肺は高頻度に障害を受ける臓器で,その進行度は予後に大きく影響する.肺病変が進行すると拡散障害と閉塞性換気障害が出現するが,比較的早期に呼吸不全に至る症例もあれば長期にわたり肺機能が保たれる症例もあり,その進行度は症例ごとに多様である.肺病変が進行し呼吸不全に至った症例では,肺移植を受けるしか治療法がないのが現状である.しかし,この10年間で病因・病態の理解は飛躍的に進歩し,その成果を反映して分子標的薬による国際共同治験が実施されるまでに発展した.
本稿では,疫学,診断基準,治療法,解明されつつあるLAMの分子病態について解説するが,最近の総説2)と重複するテーマであるため,その総説に記載しなかった点を多く盛り込み解説するよう努めた.したがって,分子病態に関する基礎的事項は割愛したため,理解を深めるにあたっては,過去の総説も一緒に参考にしていただきたい.
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