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今月の特集 肥満と健康障害
肥満と健康障害
冠動脈疾患
Coronary artery disease
大畑 洋子
1
,
宮本 恵宏
2
1国立循環器病研究センター糖尿病・脂質代謝内科
2国立循環器病研究センターオープンイノベーションセンター
キーワード:
メタボリックシンドローム
,
サルコペニア肥満
,
肥満パラドクス
,
肥満外科治療
,
グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬
,
GLP-1受容体作動薬
Keyword:
メタボリックシンドローム
,
サルコペニア肥満
,
肥満パラドクス
,
肥満外科治療
,
グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬
,
GLP-1受容体作動薬
pp.600-607
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203616
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Point
●わが国の冠動脈疾患(CAD)は諸外国に比較し罹患率が低い.年齢調整死亡率は,1950年代以降時代とともに増加したが,2010年以降は内科的治療・外科的治療の進歩などの医療の進歩が幅広く国民に還元され,低下している.
●肥満は動脈硬化性疾患のリスク因子であり,体容積指数(BMI)の高い患者,メタボリックシンドローム患者のスクリーニングは重要である.ただし,非肥満者でも糖尿病・高血圧・脂質異常症・喫煙などのリスク因子をもつ患者はハイリスクである.
●肥満患者は非肥満患者よりも心血管病の予後がよく,肥満パラドクスといわれているが,その理由は明らかではない.
●行動療法や外科的治療で10%以上体重減少し,肥満の是正が得られると,心血管リスクの低減が得られることが報告されている.
●グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬やGLP-1受容体・グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)受容体共受容体作動薬は,大きな体重減少効果があり,心血管イベントを抑制することが報告されている.しかし,適正使用のガイドラインに従い使用される必要がある.
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