Japanese
English
綜説
神経筋疾患と呼吸器
Neuromuscular Disease and Respiratory Organ
石川 悠加
1
Yuka Ishikawa
1
1国立病院機構八雲病院小児科
1Department of Pediatrics, National Hospital Organization Yakumo National Hospital
pp.285-290
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101223
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はじめに
神経筋疾患(neuromuscular disease;NMD)の定義は,病変が運動ニューロン(脊髄前角細胞や脳神経の運動神経核),脊髄神経根,脳神経,末梢神経,神経筋接合部,筋肉のいずれかを主体とするものである1).このうち,呼吸機能障害を来す主な神経筋疾患はポリオ後症候群,脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy;SMA),筋ジストロフィー,ミオパチー,ニューロパチー,多発性硬化症,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;ALS),ギラン・バレー症候群,重症筋無力症などである2).
本邦では“神経・筋疾患”という分類も使われ,これには中枢神経障害が主体の疾患も含まれる.中枢神経障害を合併すると意思確認や予後予測がより困難となり,種々の治療選択に関して欧米でも倫理的議論が続いている.このため,近年,非侵襲的陽圧換気療法(noninvasive positive pressure ventilation;NPPV)の活用により,大きくシフトしてきた呼吸マネジメントチームの育成には,中枢神経障害を合併していない神経筋疾患における取り組みが重要である.特に神経筋疾患のモデルとして,デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy;DMD)が注目されている.
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