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特集 心房細動における脳卒中の発症予防
心原性脳塞栓の疫学・病態生理―神経内科の立場から
Epidemiology and Pathophysiology of Cardioembolic Stroke: From neurologist's view
加藤 裕司
1
,
棚橋 紀夫
1
Yuji Kato
1
,
Norio Tanahashi
1
1埼玉医科大学国際医療センター神経内科・脳卒中内科
1Department of Neurology, Saitama Medical University International Medical Center
pp.773-778
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101084
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はじめに
心原性脳塞栓とは,米国のNINDS(National Institute of Neurological Disorders and Stroke)脳血管障害分類第3版によると,心臓内に形成された血栓やシャント性疾患(卵円孔開存など)を介し心臓を経由する血栓により,脳動脈が閉塞する脳梗塞と定義される1).近年,高齢化社会の進行とともに非弁膜症性心房細動(non-valvular atrial fibrillation;NVAF)に伴う心原性脳塞栓が増加している.一般に心原性脳塞栓は他の病型に比べて梗塞巣が大きく重症で,後遺症を残し寝たきりとなるケースも多く,社会的にも重要な疾患である.
本稿では心原性脳塞栓の疫学・病態生理を中心に述べる.
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