書評
―石川雅彦 著―RCA根本原因分析法実践マニュアル
大滝 純司
1
1東京医科大学病院総合診療科
pp.541
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101043
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多くの医療従事者と同様に,私もインシデント・アクシデント事例の報告書を書いた経験が何回かある.それぞれの事例でどのようなことが起き,どのように対処したかを記入して提出するのだが,ちょっと書きにくいと感じるときがある.その事例が生じた原因について記入する欄で,私はいつも少し考えてしまう.疲れていたのか? 急いでいたのか? それとも……まあ,その時々でそれなりに考えて記入してきた.本当にそこで記入したことが原因だったのかなぁ,と少し引っかかりながら.
インシデント・アクシデント事例をもとに,医療のプロセスやシステムに注目し,その問題点を具体的に見つけ出し,対策を立てる.そのような分析を可能にする方法として,米国ではRCA(Root Cause Analysis:根本原因分析法)というのが用いられているのだそうだ.本書は,そのRCAについて詳細に解説したものである.全体で4つの章からなり,最初の「基礎編」ではRCAの概要を,次の第2章「実践編その1」では臨床で実際にRCAを行うやり方について書かれている.
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