Japanese
English
Bedside Teaching
心不全ターミナル患者への対応
Cope with Patients with Cardiac Failure in Terminal Stage
小澤 竹俊
1
Taketoshi Ozawa
1
1めぐみ在宅クリニック
1Megumi Home Care Clinic
pp.73-78
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100963
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はじめに
医学の進歩に伴い,心不全の治療成績は向上してきている.しかし,どれほど医学が発達しても,全ての心不全患者を救命できるとは限らない.心臓移植や人工心臓が普及したとしても,移植の適応となる患者は選ばれることになるであろう.高齢であったり,担癌患者などであったり,様々な理由から保存的な薬物治療によってしか治療を行えないとき,繰り返す心不全から治療抵抗性となり,やがて看取ることが避けられない状況となる.この点をふまえて,ACC/AHA2005慢性心不全ガイドライン改訂版では,予防医学的な視点のみならず,終末期の医療の必要性が追加された.従来あまり顧みられなかった終末期医療が心不全の診療においてうたわれたことは,重要な意義のあるものとして注目したい.
医療従事者として,病気で悩み苦しむ患者・家族の力になりたいと願いながら,力になり得ないとき,いったい私たちに何ができるのであろうか?循環器医として働いた後,ホスピス病棟で終末期医療を専門に学んできた経験をもとに,心不全ターミナル患者への対応について概説を試みたい.
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