Japanese
English
綜説
JCAD studyからみた虚血性心疾患の二次予防について
Secondary Prevention from Cardiac and Cerebrovascular Events in the JCAD Study
Investigators The JCAD
,
林 同文
1
,
興梠 貴英
1
,
岡田 吉弘
1
,
山崎 力
2
,
永井 良三
3
The JCAD Investigators
,
Dobun Hayashi
1
,
Takahide Kohro
1
,
Yoshihiro Okada
1
,
Tsutomu Yamazaki
2
,
Ryozo Nagai
3
1東京大学医学部附属病院22世紀医療センター/健康医科学創造講座
2東京大学大学院医学系研究科臨床疫学システム講座
3東京大学大学院医学系研究科循環器内科
1Department of Translational Research for Healthcare and Clinical Science, Graduate School of Medicine and Faculty of Medicine, The University of Tokyo
2Department of Clinical Epidemiology & Systems, Graduate School of Medicine and Faculty of Medicine, The University of Tokyo
3Department of Cardiology, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo
pp.1235-1243
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100923
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
EBM(evidence-based medicine)の概念が,わが国の医療現場にも浸透し,循環器領域においては特に科学的な臨床データに基づく臨床試験の結果がいくつも報告され,臨床現場に活用されている.しかし,これまでは主に欧米での疫学研究や臨床試験の結果をそのまま日本人に適用しており,わが国における固有のエビデンスが不足していた.近年は疫学研究の久山町研究をはじめとして,ランダム割付比較試験(RCT)においてもJ-WIND研究(急性心筋梗塞),J-SAP研究(虚血性心疾患),J-CHF研究(心不全),J-RHYTHM研究(心房細動),CASE-J研究(高血圧),JIKEI Heart studyなど,日本人における多くのエビデンスが蓄積されてきた.
今回われわれは,虚血性心疾患患者における危険因子,服用薬剤などの背景因子や脳心血管イベント発生率など,主に二次予防との関連性について日本独自の情報について収集した観察研究,JCAD(Japanese Coronary Artery Disease)studyを行い,いくつかの貴重なデータを得ており,つい最近論文掲載を認められたため,虚血性心疾患の二次予防を中心に,研究グループ全体の共有財産として,事務局が代表してここに概説する.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.