Japanese
English
Bedside Teaching
胸腔鏡の臨床的意義
Clinical Significance of the Thoracoscope
梶原 直央
1
,
坂田 義詞
1
,
平良 真博
1
,
井上 達哉
1
,
垣花 昌俊
1
,
大平 達夫
1
,
内田 修
1
,
田中 浩一
2
,
坪井 正博
1
,
平野 隆
1
,
加藤 治文
1
Naohiro Kajiwara
1
,
Yoshitsugu Sakata
1
,
Masahiro Taira
1
,
Tatsuya Inoue
1
,
Masatoshi Kakihana
1
,
Tatsuo Ohira
1
,
Osamu Uchida
1
,
Kouichi Tanaka
2
,
Masahiro Tsuboi
1
,
Takashi Hirano
1
,
Harubumi Kato
1
1東京医科大学外科学第1講座
2JA北海道厚生連札幌厚生病院外科
1Department of Surgery I, Tokyo Medical University
2Department of Surgery, Sapporo-Kosei General Hospital
pp.1129-1135
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100905
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はじめに
今日における胸腔鏡は,内視鏡,video周辺機器,手術器具の目ざましい進歩に伴って,診断目的のための審査胸腔鏡および治療目的のための胸腔鏡手術(video-assisted thoracoscopic surgery;VATS)として日常診療技術の一つとして普及している.開胸下手術と比較すればバーチャルな空間での操作により,安全性への高い評価と狭い空間での煩雑な手技をこなすだけの高い技術が要求され,そのために様々な修練プログラムや新しい機器の開発が進められている.日本胸部外科学会における2004年度の全国集計1)(672施設)によれば,呼吸器外科領域の全手術症例(49,368例)のうち49.6%(24,479例)が胸腔鏡で行われており,疾患別では気胸の88.4%,良性腫瘍の66.6%,肺気腫および肺囊胞症の64.9%,炎症性肺疾患の59.8%,転移性肺腫瘍の54.5%,縦隔腫瘍の36.8%が胸腔鏡で行われているのが現状である.さらに原発性肺癌症例(22,447例)のうち34.8%(7,820例)が胸腔鏡で行われるに至る.
そのような背景のなか,本稿では呼吸器領域に焦点を置いて胸腔鏡の現状と課題を中心にその臨床的意義について述べる.
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