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特集 心筋再生と心筋保護
骨髄間葉系幹細胞による心筋細胞新生の可能性
Cardiomyogenic Potential of Bone Marrow Mesenchymal Stem Cells
伯野 大彦
1
,
福田 恵一
2
Daihiko Hakuno
1
,
Keiichi Fukuda
2
1慶應義塾大学医学部循環器内科
2慶應義塾大学医学部再生医学
1Cardiovascular Division, Department of Internal Medicine, Keio University School of Medicine
2Department of Regenerative Medicine and Advanced Cardiac Therapeutics, Keio University School of Medicine
pp.735-742
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100830
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はじめに
骨髄間葉系幹細胞がin vitroで心筋細胞に分化しうることを1999年にわれわれが報告して以来,幹細胞を用いた心筋再生の研究は飛躍的に進歩した.これまで骨髄間葉系幹細胞以外にも胚性幹細胞,心臓幹細胞,脂肪組織由来幹細胞などが心筋に分化しうることが報告されている.しかしながら,幹細胞が心筋に分化しうるという現象とそれを実際に臨床応用することとは大きなギャップがあると思われる.骨髄幹細胞を今後臨床応用するためには,効率的な採取方法,in vitroで十分な細胞数と純度を得るための増殖方法,心筋細胞への選択的な分化誘導方法,幹細胞あるいは心筋組織としての移植方法などをすべて最適化する必要がある.
本稿では,再生心筋細胞の細胞源としての骨髄間葉系幹細胞の特徴,translational research,臨床試験の現状について概説する.
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