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特集 心筋研究の最前線
単離間葉系幹細胞の心筋細胞への分化
Cardiomyogenic differentiation of mesenchymal stem cells
梅澤 明弘
1
,
竹田 征治
1
Akihiro Umezawa
1
,
Yukiji Takeda
1
1国立成育医療センター研究所生殖医療研究部
pp.329-333
発行日 2004年8月15日
Published Date 2004/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100713
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「間葉系幹細胞を用いた,心疾患への細胞治療に関する議論」がある。この議論は,いくつかの方向から検討されている。最も重要な論点のひとつは,細胞を移植することによって,虚血などで死滅した心臓に対し,機能的な心筋細胞を回復することができるかどうかである。造血系が主である骨髄細胞を注入することによって心筋が形成されるという報告があるが,その頻度は極めて低く,臨床的意義はない。虚血性心疾患に対し骨髄細胞の局所注入が有効であるという報告は,主に血管形成によるという考えがコンセンサスになりつつある。生体内での心筋形成は疑わしいという研究報告が続く一方,骨髄由来の間葉系幹細胞が心筋細胞へ試験管内において分化することが示されて久しい。試験管内における間葉系細胞を用いた心筋細胞への分化効率は実験系が洗練されるとともに向上している。まとめると,(1)心筋細胞に分化させることが,臨床的な価値をもって可能となるのか。(2)虚血心に対して,血管誘導する治療プロトコールが標準となるのではないか,を明らかにする必要がある。このような課題はあるものの,ここでは「単離間葉系幹細胞の心筋細胞への分化過程」における細胞の形質,分化誘導を生じさせる方法および間葉系細胞の供給源について考えてみる。
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