Japanese
English
Bedside Teaching
後腹膜線維症による心血管病変
Cardiovascular Complications of Retroperitoneal Fibrosis
武田 憲文
1
,
平田 恭信
1
,
永井 良三
1
Norifumi Takeda
1
,
Yasunobu Hirata
1
,
Ryozo Nagai
1
1東京大学大学院医学系研究科循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
pp.441-447
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100778
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
後腹膜線維症は,後腹膜脂肪組織を中心とした炎症性細胞の浸潤と進行性の線維化を特徴とした稀な疾患で,尿管などの周辺臓器への被包化・圧排症状などを主症状とする.約7割が原因不明(特発性)であるが,麦角アルカロイド類やβ遮断薬,NSAIDなどの薬剤や自己免疫疾患との関連性も報告されている.また,約15%の症例で後腹膜以外での臓器・外膜線維化を併発することが知られ,大動脈周囲炎や心膜炎・収縮性心膜炎との合併例も報告されている.
本稿では,後腹膜線維症を概説するとともに1~3),後腹膜線維症に合併した心血管病変について自験例を交えて紹介し,後腹膜線維症の発症機序との関連性について述べる.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.