Japanese
English
特集 COPDの急性増悪をめぐって
COPDの急性増悪の薬物療法
Pharmacologic Treatment for Acute Exacerbation of COPD
北口 良晃
1
,
藤本 圭作
1
Yoshiaki Kitaguchi
1
,
Keisaku Fujimoto
1
1信州大学内科学第一講座
1The First Department of Internal Medicine, Shinshu University School of Medicine
pp.411-416
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100773
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はじめに
COPDで医学的処置や治療を要する呼吸器症状の出現や症状の悪化で最も重要なものが,COPDの増悪(exacerbation of COPD,COPD exacerbations)である.増悪の定義については諸説あるが,GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)1)においても医学的処置を必要とする呼吸器症状の増悪はCOPDの重要な臨床事象であるとされている.COPDの増悪は度々生じ,入院の回数を増やし死亡率を高め予後を悪化させる.それゆえ安定期の管理とは異なった更に強力な治療が必要となる.なお,COPDの増悪をCOPDの急性増悪(acute exacerbation of COPD)とする文献が多いので,ここでは急性増悪に統一したい.
急性増悪の原因について詳しくは別項に譲るが,GOLDでは表1に示す要因を挙げている.気道感染と大気汚染が一次的な原因と考えられているが,一方で約3分の1は原因が確認できないとしている.二次的な原因として肺炎,肺血栓塞栓症,気胸,外傷,薬物,心不全,不整脈などを挙げている.一次的原因と二次的原因のすべてに留意してCOPDの急性増悪の治療に当たる必要がある.GOLDではエビデンスに基づいた治療を推奨しており,在宅治療と入院治療に分けて記述されている.日本呼吸器学会のCOPD診断と治療のためのガイドライン2)でも同様である.ここではこれらに基づき在宅治療と入院での治療に分けて薬物療法について述べていきたい.
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