Japanese
English
特集 COPDの急性増悪をめぐって
COPDの急性増悪の予防
Prevention of Acute Exacerbations of COPD
辻村 周子
1
,
仲村 秀俊
2
Shuko Tsujimura
1
,
Hidetoshi Nakamura
2
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
2東京電力病院内科
1Department of Pulmonary Medicine, School of Medicine, Keio University
2Department of Internal Medicine, Tokyo Electric Power Company Hospital
pp.405-410
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100772
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COPD急性増悪の原因は,多くの場合,気道感染であり,次いで大気汚染の関与が示唆されている.したがって,予防のためには呼吸器感染症対策が第一であり,禁煙を含む環境因子の改善も重要と考えられる.一方で,COPDに対する薬物療法の有用性を検証するために行われた大規模臨床研究において,評価項目のひとつとして急性増悪が取り上げられ,気管支拡張薬や吸入ステロイドに急性増悪抑制効果があることが明らかになってきた.さらに近年では喀痰調整薬,マクロライドなど,様々な薬剤の効果が示唆されつつある.
このようにCOPDの急性増悪の予防法は,ワクチンや免疫調整薬を除けば必ずしも特異的なものではなく,安定期の治療法の延長線上にある.ここでは便宜的に,1)非薬物療法,2)有用性の確立された薬物療法(表1),3)有用な可能性のある薬物療法(表2),に分けて急性増悪抑制効果に関する近年の報告を紹介する.
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