Japanese
English
特集 COPDの急性増悪をめぐって
COPDの急性増悪の影響
Impact of Acute Exacerbation of COPD
桂 秀樹
1
Hideki Katsura
1
1東京女子医科大学八千代医療センター呼吸器内科
1Division of Respiratory Medicine, Tokyo Women's Medical University Yachiyo Medical Center
pp.387-393
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100770
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はじめに
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は現在,世界の死亡原因の第4位であり,有病率および死亡率は喫煙習慣の増加および高齢化に伴い向こう数十年の間にさらに増加することが予想され,2020年には死亡原因の第3位,疾患による能力障害(disability)の原因の第6位になることが推定され1),様々な社会的,経済的な損失を来していることが報告されている2).COPDはわが国でも近年増加傾向にあり,最近の疫学調査(NICE study)では,潜在的患者数は40歳以上の年齢層の8.5%,530万人と推定され,その対策が求められている3).
COPDでは加齢とともに重症化し,その結果,高度の呼吸困難や運動耐容能の低下により,患者のquality of life(QOL),activities of daily living(ADL)は著しく障害される.このような重症のCOPDでは,しばしば急性増悪を来すことが知られているが,急性増悪はCOPDの入院や死亡の主要な原因であるだけではなく,QOLの障害や医療費の高騰などに関与していることが指摘されている2).
本稿では,COPDの急性増悪による様々な影響につき最近の知見に基づいて概説する.
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